もし過去に戻れたら

「子供の頃の自分とたくさん話をしてみたい」という言葉が世の中にはあって、はじめて聞いた瞬間、その考えに深く同意した。

無邪気で天真爛漫で混乱の中にいた自分が何を考えていて何に興味があって何から押し潰されていたのかを知りたい。そして、子供の頃の私が話し疲れて眠ってしまうまでずっと会話の相手をしていたい。話し相手が自分だからこそ自分の翼を広げる作業を手伝ってあげたい。

今なら自分が目を逸らし続けてきたグロテスクな内面と向き合える、そんな気がするときがある。

同時に、言葉や思考はこんなにも自由かつ単純であるのに、これに類似する考えを今まで独力で持てなかった自分を愚かだと恥じた。